いちごは家庭菜園で育てられる植物の中で人気があります。
北海道では、6月から7月中旬ごろまでがいちごの収穫シーズンとなります。いちご狩りなどを実施している農家では地植えが主流ですが、いちごの実は下に垂れるため地際で栽培すると管理や収穫に苦労するでしょう。家庭菜園で行うなら高設栽培がおすすめです。自宅のスペースに合ったプランターにて高さのある栽培をすると、土につかなくいちごの実は痛みにくくなります。
私は、足付きプランターをDIYし、葉かきなどの管理時は、しゃがまないので楽です。
いちごのDIYプランターについてはこちらの記事へ
この記事では、いちごに適した土の配合、肥料のタイミングについて紹介しています。
いちごの土は水はけと水持ちの良い土がいい
地植えの場合は水やりに特に気にしなくともよいですが、外にあるプランターは乾きやすいので、土作りをするときは水持ちの良い配合を心がけるとよいです。しかし、水はけが悪いのもまた根腐れの原因になりますので注意が必要です
水はけと水持ちがよい土
今回わたしが使用した土は基本的なものです。
これをベースにご自身の住まいの環境にあわせてアレンジするのもまた楽しみの一つです。
<土>
- 赤玉土 5割(保水・保肥力に優れているが重い)
- 鹿沼土 1.5割(排水性に優れていて軽い)
- 腐葉土 3割(保水性・軽い)
- もみ殻 0.5割(一定量の保水性、微生物の住処になり固く分解されにくく軽い)
<肥料など>
- 有機石灰(土の酸度を緩やかにアルカリよりにする・土が柔らかくなる)
- 化成肥料(マグァンプK中粒は、水に溶ける成分と植物の根が近づいてから溶け出す成分があり元肥としておすすめ、植えたばかりの根に直接ふれないようにする)
- 追肥はハイポネックス原液を規定量に薄め、水やりのときに一緒にあたえる。(10日に1回程度)

ぼかし肥料を作ったんだけど、いつ使えばいいの?
いちごの苗の植え付け時期
北海道でいちごの苗は秋に一部売られていますが、多くの種類が売られる時期は4月下旬以降です。
早く植えて根を活着させたい気持ちもありますが、植え付けはゴールデンウィーク明けがおすすめです。
毎年ゴールデンウィーク頃に突風が吹き、風よけ対策をしていないと成長した大きな葉や花芽が強風で折れてしまいます。
昨今の北海道でも5月初旬はまだ日中でも15度以下のため植え付けをしても花芽を出し6〜7月に収穫できるでしょう。
花芽を出す条件
いちごは葉を茂らせ、株を大きくしようとする栄養成長と花や実をつける生殖成長があります。
収穫を楽しむためには、花芽をださせる生殖成長が必要ですが、1季なり性いちごの場合は気温や日照時間の長さで花芽をだすか葉を出すかが決まります。
<花芽の条件>
1日の平均気温 | 日の長さ |
---|---|
12度〜15度 | 関係なく花芽形成する |
15度〜25度 | 6〜13時間の場合、花芽形成する |
25度を超える | 花芽形成しない |
肥料の成分である窒素が土壌に多くあると花芽を出さず栄養成長へと切り替わる
いちご苗を植えた後の作業と追肥のタイミング
より良いいちごの実をつけるには、定植後の管理が大切になります。
屋外かつ大きめのプランター栽培の場合は毎日の手入れは必要ありません。
しかし、気温が高くなると水切れや害虫など気になることが出てくるので週に2、3回は確認をしておくと安心です。
<苗植え付け後の手入れ>
- 葉かき
- 摘花・摘果
- 水やり
- 人工授粉
- 追肥
葉かきについて
葉かきは、古くなった葉を取り除くこと。
若い葉は、上に伸びるのに対し、古くなると下にさがり、濃い緑色になります。
葉の数が多くなりすぎると、土が乾きやすくなったり、風通しが悪いため病気にかかりやすくなります。
適度に古い葉、小さすぎる葉は取り除くことで、不要な養分の分散を避け、実にしっかり養分をおくれる状態にしましょう。
葉とは別にランナーが出できたら根本からハサミで切りましょう。
ランナーとは、子株を作る細いツルのようなものです。
収穫前や途中にもでてくるので、養分が取られてしまうので収穫がおわるまでは取り除きます。
来年のための育苗をするなら、収穫後に育てましょう。
摘花・摘果について

いちごは大きな花には、大きな実。小さな花には、小さな実がなります。
希望のサイズが特にない場合は、放任で構いません。
受粉が上手くいくと、黄緑色の実が少しずつ膨らんできます。しかし、上手くいかなかった場合は、花の中央が黒くくすんできますので、このようなものは早めに取り除き、次回の花芽に期待しましょう。
水やりについて
いちごは根が一度乾燥してしまうと弱ってしまいます。また、湿り続けていてもよくありません。
花が咲く時期には水切れしないよう午前中にたっぷりの水をあたえましょう。
小さなプランターで乾きやすい場合は毎日もしくは土が乾いていたら
大きめのプランターの場合は、週に2回は行う。
※真夏で午後にも乾くようなら1日2回あげても可
水やりは、株元にあたえましょう。
葉の上から水を掛けると、土の跳ね返りから病気にかかるリスクが高くなります。
人工受粉のタイミング

いちごの苗を屋外に置いていて、自然の力(風や虫)でも受粉します。
しかし、葉が密集していることなどでうまく受粉できない場合もあります。
受粉の確率を高めるため人工授粉をおすすめします。アイシャドーブラシなど100均でも入手できるので、軽く花の内側をなでで雄しべに花粉をつける作業が人工授粉になります。
人工授粉の作業は、開花後2〜4日以内に行います。
上手く受粉できなかったものは、中が黒くなるので摘果しましょう。
追肥は開花後に行う
苗を買い、プランターに植えた後の追肥については、いちごの花が咲いた後におこないます。
花が咲く前に肥料をあたえると、株を大きくする成長になり葉ばかり増えてくるので注意が必要です。
- いちごの花が咲いた後に1回
- 実がついた頃に1回
肥料は直接根に触れないようにする
肥料が多すぎると、葉がしおれたり葉先が変色するので様子をみましょう
まとめ

この記事では、北海道で春に買ったいちごの苗をどのように育て今年中に収穫するかの方法を紹介しました。
いちごに適した土は、水と肥料もちがよく水はけの良い土がおすすめです。
また、肥料についてはいちごの根は肥料に弱いため元肥はよく土に混ぜておき追肥は株から離してあたえるとよいです。
苗の定植は、早めがよいが北海道では4月下旬に多く出回るためその時期に購入するなら初の突風が過ぎたあとがおすすめです。
大きく育った葉や花芽が折れてしまう場合があります。
定植後は、古くなった葉や上手く受粉しなかった花、実を取り除きましょう。
不要なものは取り、養分を実に集中させると美味しいいちごを楽しむことができます。
短いいちごシーズンですが、家庭でも楽しみましょう。
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